葬儀の一つとして最近では家族葬という方法もメジャーになりつつあります。家族と近しい親類や友人のみの式で、ささやかに故人を送る、という形態です。近所の人や会社の人の参列が無いため、ゆっくり過ごせるのがメリットですが、十分に周囲に理解してもらう必要もあります。
特に田舎の場合には横のつながりが強く、「自分だけ葬儀に呼ばれなかった」と誤解して関係が悪くなることもあります。誤解のないよう、近所や会社には十分事情を話して理解してもらう必要があります。「闘病が長く、本人もやつれているし家族でゆっくり送りたいので」「本人の希望で、家族だけで送ることになりました」などと言えばたいていは理解してもらえるでしょう。
「それでも香典は持って行かなくては」と考える人も多いので、「お返しなどの手配もできないので香典も不要です」とはっきり言っておきましょう。
家族葬は、一般的には従来のスタイルと比べて少人数の参列者で行われる葬儀スタイルのことであり、その参列を家族や親類などの近親者を中心とした人たちに限るものを指します。したがって、会社関係者やご近所など、生前の故人と特別に関係が深くなかった人たちは呼ばないという場合が多くなります。
参列者の規模は、20〜30名程度が一般的で、50名以上が目安とされる従来のスタイルより少なくなります。ただし、近親者の他にも知人や友人などを招くケースでは50名を超える場合もあるため、あまり人数を増やしたくない場合は、参列者をどこまで限定するかを考慮する必要があるでしょう。
また家族葬は参列者の人数が比較的少ないため、そのぶん葬儀本体にかかる費用を安く抑えることができます。葬儀本体費用の全国平均は120万円程度だと言われていますが、家族葬の場合は30万〜50万円程度が相場になります。